領域概要

領域長挨拶

未来社会創造機構 モビリティ領域長
鈴木 達也

 本学では、新しい形の産学官連携による革新的な技術開発とその社会実装、および人材育成の拠点として、2014年に未来社会創造機構が設立されました。それに伴い、機構内の最初の領域として設定された領域がモビリティ領域です。モビリティ領域はその前身であるグリーンモビリティ連携研究センター(GREMO)での活動をさらに発展させ、持続的にモビリティに関するイノベーションを起こす領域として設定されました。

 名古屋大学のモビリティ研究の特徴は、材料・エネルギー、機械・情報、交通・社会の分野の研究者が集結していることにあります。以前のグリーンモビリティ連携研究センターの活動により名古屋大学のモビリティ研究は世界の研究拠点に広く認知されるに至り、現在は国内外12拠点(国内2拠点、国外10拠点)と学術交流協定を結んでいます。また、名古屋大学COI(Center of Innovation)プログラムにより、特に機械・情報、交通・社会分野の研究基盤の大幅な拡充が図られました。これらにより、知能化、電動化、コネクティッド、シェアリングといった次世代モビリティの重要課題群を先取りした研究開発がモビリティ領域では展開されています。さらには、産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム(OPERA)や未来社会創造事業(Mirai)などの活動を通して、異分野の研究者・技術者が交流しつつ、より学際的な融合研究に取り組んでいます。

 一方で次世代のモビリティ研究を担う人材を育成するための分野横断型の教育プログラムの開発にも力を入れ、2017年度より「先進モビリティ学」を開講しました。先進モビリティ学では、産業界とアカデミアの一流講師陣がモビリティの様々な側面について講義を行います。また、講義のみではなく実習にも力を入れ、受講生も幅広い分野から応募があり、その数も年々増えてきております。今後は我が国のモビリティ教育を先導するきわめてユニークなプログラム体系へと発展させていきます。

 これまでの一連の研究・教育活動を統合することでシナジー効果を生み、本領域をさらなる強固な拠点へと発展させることが、モビリティ領域のメンバーに課せられた使命と言えます。今後は、オープンイノベーションや産学共創教育を軸とした他に類を見ないユニークなモビリティの拠点づくりを目指していきますので、今まで以上にご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。