イベント

【終了】次世代モビリティ社会を考える夕べ 第3夜「移動の価値とモビリティの未来 (2)」

日時
2020年9月26日(土)18:00~20:00
場所
オンライン開催(Zoom ウェビナー)

CASEに代表される次世代モビリティ技術の発展・普及、スマートでレジリエントな都市デザイン、そしてそこで生活する人間。これらが織りなす「次世代モビリティ社会」はどうあるべきか?企業、行政、大学などの研究機関は、今後何をしなければならないか、毎回ひとつのテーマを取り上げて、モビリティ社会研究所のメンバーが、オンライン参加者とともに考えていきます。

主 催 名古屋大学 未来社会創造機構 モビリティ社会研究所
後 援 一般社団法人 人間機械協奏技術コンソーシアム ヒューマンセントリックモビリティ委員会
参加費 無料

内容

名古屋大学未来社会創造機構では、あるべき未来社会の実現に向けた新たな研究開発課題「未来社会創造プロジェクト」の学内公募があり、モビリティ社会研究所においては、久木田水生准教授が代表者となり、以下の研究課題を実施しています。

「移動の価値とモビリティの未来」
 移動というものが人間にとってどのような価値をもち、それが将来においてどのように変わっていくのかを多角的な視点から考え、そして将来のモビリティーのあるべき姿を構想する。

様々な分野の専門家をお招きして移動に関連する研究や取組をご紹介する、本研究プロジェクトのセミナーシリーズ第3回を「次世代モビリティ社会を考える夕べ」の一環として開催します。民俗学的な視点から車社会の問題について研究をされている中尾聡史先生と、宗教学・精神分析学などが専門でアジールについての研究もされている舟木徹男先生をお招きし、皆さまとのディスカッションを通じて、考えを深めたいと思います。

18:00-18:05 趣旨説明

ファシリテーター
久木田 水生 社会的価値研究部門 准教授(情報学研究科 社会情報学専攻)


18:05-18:50 「宮本常一の視点から道路交通の「あるべき姿」を考える」

中尾 聡史 先生(京都大学大学院工学研究科 都市社会工学専攻・助教)

近年、自動運転システムの開発が進み、その社会実装について、さかんに議論されている。自動運転システムは、日本の道路交通に大きな変化をもたらし得るものであり、その受容に際して、「道路はどうあるべきか?」「交通はどうあるべきか?」といった「あるべき姿」をめぐる検討が求められる。そこで、日本の道を生涯にわたって歩き続けた宮本常一の視点に着目しながら、日本の道路交通の近代を振り返り、これからの道路交通の「あるべき姿」について考える。


18:50-19:35 「アジールと網野善彦の現代的可能性」

舟木 徹男 先生(龍谷大学 社会学部・非常勤講師)

アジールとは人間の心身を様々な脅威から庇護する場を意味し、ギリシア語で「不可侵」を意味する単語ασυλον(※)に由来する。今回の講演ではまず、アジールとその諸形態、およびその歴史的変遷を、O.ヘンスラ―のアジール論を参照して概説する。しかる後、渋沢敬三・宮本常一の民俗学の影響のもとで遍歴する非農業民の世界に着目して独自の日本中世史学を築いた網野善彦を参照することにより、アジール論を現在に接続する道筋を二つの視点から考察したい。一つは、網野がアジールの背後にあるものとして想定する人類史的な「無縁・無主」の原理を、西洋史における「自然法」の概念に近接したものとして理解し、それに基づく水平的な次元の「公共性」の領域の創出を、現代におけるあらたなアジールの一形態とみる視点である。いまひとつは、「無縁・無主」の原理と不可分の関係にある「移動」という主題に注目し、それが現代アジール論にとって持つ意味を、柄谷行人の近年の遊動性についての議論を参照しつつ考察する視点である。これらの議論を通じて、アジール論、移動の哲学、そしてモビリティの未来というテーマを接続する形で本プロジェクトに寄与したいと考えている。
※「ασυλον」の「α」には無気息記号と鋭アクセント記号が付きます。

レジュメはこちら


19:35-20:00 質疑応答・ディスカッション

ご参加にあたって


*視聴の方法については、お申込みいただいたメールアドレスにご案内します。
*カメラ・音声ともに「オフ」の状態で視聴していただきますので、お気軽にご参加ください。質問はチャットで受け付けます。
*パソコンの場合、Webブラウザ(Google Chrome、Firefox、Chromium Edge推奨)からも視聴できます。
*本ウェビナーをライブ視聴できるのは、事前に参加申し込みされた方のみとなります。他の方への視聴URLの転送はお控えください。
*本ウェビナーの録画・録音・撮影については、固くお断りいたします。

申込方法

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お問い合わせ先

国立大学法人 東海国立大学機構
名古屋大学 未来社会創造機構 モビリティ社会研究所
E-mail:gremo_info[あっと]mirai.nagoya-u.ac.jp  [あっと]を@に変更してお問い合わせください。
電話:052-747-6390(平日 9:00-17:00)

ウェビナー当日のお問い合わせは、以下までお願いします。
久木田 水生(名古屋大学大学院情報学研究科・准教授)
E-mail:minao.kukita[あっと]i.nagoya-u.ac.jp


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  • 名古屋大学 未来社会創造機構 オープンイノベーション推進室
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