R&D group

長谷川 達也 (Tatsuya HASEGAWA)

所属研究科等エコトピア科学研究所
部門研究開発部門
センター教員兼任
所属専攻・分野等アジア資源循環研究センター
所属プロジェクトその他
所在地〒464-8601名古屋市千種区不老町
共同教育研究施設2号館511号室
TEL052-789-4506
FAX052-789-4506
E-mailt-hasegawa[at]gmv.nagoya-u.ac.jp
※スパム対策のため、E-mailの@を[at]に変更してあります。
研究室名
詳細URLhttp://yuki.esi.nagoya-u.ac.jp/
研究内容熱流体力学、熱工学(燃焼、伝熱)、バイオガス、ヒートポンプ、計算流体力学

主要研究内容


湿式燃焼による熱エネルギー回収

高温高圧の水は油のような有機物を良く溶解し、あらゆる反応の媒体になることが 物理・化学的に知られています。 これを水熱反応と呼びます。この高温高圧の水にバイオマス廃棄物や未利用の低質燃料、難分解性有機物などを溶解させ分解すれば水素やメタンなどのガス燃料を取り出すことが できます。また酸化剤を入れて酸化すれば熱エネルギーが発生するのでボイラーとして発電や熱供給に利用できます。これを湿式燃焼と呼びます。バイオマス廃棄物、未利用の低質燃料、難分解性有機物などをエネルギ資源化し、 有害物質の排出を低減しながら熱エネルギーを生成することを目的とした研究を行っています。以上の研究に関しては、環境・エネルギー問題が深刻なアジア諸国の研究機関との共同研究も行っています。

ヒートポンプシステムとその応用

空調機,冷凍機などで使用されている代替フロン(HCFC)はオゾン層を破壊するので2020年には全廃することが決まっています。 それに代わる冷媒として開発されている新代替フロン(HFC)は塩素を含まないのでオゾン層を破壊しませんが、潤滑油との相溶性が悪いため、圧縮機の潤滑がうまく行かないので、 これを従来の熱交換シス テムて?使用することは通常困難です。このような障壁を解決する技術として開発されたのが追設凝縮器を組み込む技術です。 この追設凝縮器は従来の熱交換システムに常に凝縮器として働くように組み込むと、冷媒の種類によらず効率が1割から2割増加してエネルギー消費が減る、潤滑油を循環して圧縮機の潤滑を維持するので新代替フロンが 使用できる、高温の外気においても熱放出して正常に動作し、低温の外気においては霜がつかず正常に動作するなどの優れた特性を発揮します。 この研究は追設凝縮器のこれらの特長がどのような原理や機構によって生じるのかを明らかにし、空調機や給湯器などの熱交換機器を高効率化することを目的としています。 現在は、水冷追設凝縮器と新代替フロンを用いる冷房排熱による給湯システム、冷媒入れ換えや追設凝縮器設置の効果を予測する冷凍サイクルのシミュレーション,、ノンフロン冷媒を用いるヒートポンプサイクルのシミュレーションの研究を行っています。

バイオガスシステム

廃棄物系および未利用バイオマスのエネルギー変換技術には、燃焼、メタン発酵、エタノール発酵、ガス化(水素、一酸化炭素)、油化などがある。エコトピア科学研究所アジア資源循環研究センター長谷川達也研究室では,現在、食品廃棄物,農業残渣を原料とする小規模分散型バイオガスシステム(メタン発酵、ガス精製、発電、輸送用・熱源用燃料供給、排水浄化)の研究を行っている。この研究はインド工科大学デリー校と共同で行っているもので、8億人を超える人口を抱えるインド農村部に豊富な畜糞、農業残渣などの低品位未利用廃棄物からバイオガスを生産し、再生可能エネルギーとして活用することで、二酸化炭素排出を増加させないで農村部の経済発展を図ることを目的としている。東日本大震災以降、インドのみならず日本においても、このような小規模分散型エネルギー源の必要性はますます高まっている。

Publication

湿式燃焼による熱エネルギー回収

  1. K. Hirosaka, M. Fukayama, K. Wakamatsu, Y. Ishida, K. Kitagawa, T. Hasegawa: Combustion of Ethanol by Hydrothermal Oxidation, Proceedings of the Combustion Institute, 2007, Elsevier, Vol. 31, pp. 3361-3367.
  2. K. Hirosaka, K. Koido, M. Fukayama, K. Ouryoji, T. Hasegawa: Experimental and numerical study of ethanol oxidation in sub-critical water, 2008, Journal of Supercritical Fluids, Elsevier, Vol. 44, No. 3, pp. 347-355.
  3. K. Koido, Y. Ishida, K. Kumabe, K. Matsumoto, T. Hasegawa: Kinetics of ethanol oxidation in subcritical water, 2010, Journal of Supercritical Fluids, Vol.55, pp. 246-251.

ヒートポンプシステムとその応用

  1. 後藤誠, 谷藤浩二, 藤田真弘, 山内智裕, 永田謙二, 上野勲, 長谷川達也:追設凝縮器を用いた空調機の運転, 平成18年5月, 日本機械学会論文集, B編72巻716号, pp. 1095-1102.
  2. 後藤誠, 谷藤浩二, 藤田真弘, 山内智裕, 大内田聡, 永田謙二, 上野勲, 長谷川達也:HFC冷媒を充填した空調機における非相溶性冷凍機油の循環観察, 2007, Jan., 日本機械学会論文集, B編73巻725号, pp. 291-297.
  3. 後藤誠,大内田聡,山内智裕, 永田謙二,鈴木秀幸,上野勲,長谷川達也:空調機の廃熱を利用する給湯システムの性能評価,2007, Dec,日本機械学会論文集, B編073巻736号, pp. 2552-2556.
  4. 柴芳郎, 山内智裕, 谷藤浩二, 長谷川達也:二次冷媒に水(水・水蒸気)を用いたヒートポンプ加熱システム(第1報?試作・実験・実測), 2008年3月, 空気調和衛生工学会, 132巻, pp. 29-37.
  5. 大内田聡,長谷川達也,中村正則, 空調用冷凍機サイクルのモデル化とシミュレーション, 2008-06, 日本機械学会論文集, B編74巻742号, pp. 1419-1426.
  6. 6.宮本年男, 大内田聡, 長谷川達也:劣化およびレトロフィットを伴うヒートポンプシステムのサイクルシミュレーション,2010, 日本機械学会論文集, B編, 76巻, 767号, pp. 1075-1081.

バイオガスシステム

発明者:関根啓蔵, 長谷川達也, 生ゴミ処理装置, 特願2009-073922, 平成21年3月25日, 出願人:株式会社関根産業